ハロウィンのかぼちゃをかざろう

 

季節にふさわしい本を書店にならべるために、本作りの現場はいつも季節を先取り。

印刷と製本の時間があるので、最終作業をおこなうのは2-3か月早いのがふつうです。

でも海外で印刷され製本されるコープロの場合は、もっと早くなります。

なんと半年ほど…。

そんなわけで今、わたしの机の上はハロウィンなのであります。(もはや、ただの季節はずれ…)

 

この本は、一昨年に刊行された『クリスマスツリーをかざろう』の姉妹本です。

家族でモミの木を買いにいき、香りのよい生木にオーナメントを飾る手順やコツを描いた絵本で、いわば、おうちでできる正統派クリスマスの楽しみかた教本でした。

 

そして今回は、ハロウィンの楽しみかた教本です。

商業主義につられて異国のまねをするのは浅はかだという指摘もありますが、異文化の風習が根づくのは、その国にもともと類似の風習があった場合なのだそうです。

 

ハロウィンは、そもそも、先祖の霊を迎えるお祭りでした。

ご先祖さまと一緒についてきちゃう悪霊を追い払うために仮装をしたのだとか。

日本のお盆と似ているし、災いを追い払うために家々を回るコワモテ装束といえば、ナマハゲを思い出します。

さらに、子どもたちが近所をまわってお菓子をもらうのは関西の地蔵盆とよく似ていると、担当編集者の内田広実さんが教えてくれました。

 

薀蓄は、さておき。

こんども、かぼちゃ畑でお気に入りのかぼちゃを選ぶところから、絵本は始まります。

秋色の景色がとっても綺麗。ひんやりした空気が鼻腔をくすぐるようで、なんだかうきうきしてきます。

 

 

日本のかぼちゃは緑色ですが、ハロウィンかぼちゃといえば、オレンジ色。

でも、何色でもいいみたいですよ。

かぼちゃを切ってランタンを作るために必要な道具、注意点、ハロウィンをもりあげるためのあれこれがリズミカルに綴られます。

子どもたちの仮装やトリックオアトリートもでてきますが、主役はやっぱり、かぼちゃ。

 

日が暮れてから中に蝋燭を灯すと、かぼちゃランタンに命がやどります。

子どもたちがトリックオアトリートにでかけているあいだ、悪い魔物がこないように見張っていてくれるそうですよ。

怖い顔だけど、いいヤツだったんですね〜。

 

このかぼちゃくんの名前を、ごぞんじですか?

Jack-o'-lanternといいます。つまり Jack of lantern。

直訳すれば、提灯のジャック。

 

さて、日本語表記をどうしましょうか。

ちょうちんジャック? かぼちゃジャック? 

 

最近では、英語名の呼び方が広まってきたようです。

英語の発音だと「ジャコランタン」がいちばん近いとおもうのだけど、

関西にある編集部から「ちりめんじゃこを連想してしまう」との意見もありまして… (^o^);

迷ったあげくに「ジャック オ ランタン」となりました。(文字間を狭めたあたりが苦渋の痕跡)

「ジャック、を、らんたん!?」と読まないでくださいね…。

 

 

 

それにしても。

今も昔も、そして洋の東西を問わず、暗闇と炎と神秘の祭りは人の心の奥からなにか深いものを炙りだすようです。

 

半年さきの絵本、それも「わるい まものを おいはらってくれる」お祭りの翻訳作業を行いながら、いま世界中を覆っている魔物が祓われることを願っています。

 

 

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