おたすけこびとと おべんとう 初校がでました

 

ひさびさに電車にのって都心にでかけ、おたすけ会議をしてきました。

オフィスは、がら空き。編集部は、除菌シート完備。

 

不要不急ではなく、必要火急の作業です。

持ち出し厳禁の原画と、初校(初回の校正紙)を照らし合わせて吟味したうえ、早急に印刷所に戻さなくてはならないので。

 

印刷につかうインキは基本的に、シアン(青)、マゼンタ(赤)、イエロー(黃)、ブラック(黒)の4色だけです。

この4色のかけ合わせで、ほとんどの色が再現できるのは驚きですが、やはり原画の絵の具の色どおりにはいきません。どうがんばっても、印刷ではだせない色もあるのです。

そこで妥協できるところと、もうちょっとがんばってほしいところ、どういう色に近づけてほしいかなどを、校正紙に細かく書き込んでいきます。

 

 

とはいえ、4色のインキを何%増減したらよいかということは、私達にはわかりません。

「原画に近づけてください」「濁りをとってください」「黒を強めに」「もっと美味しそうな黄色に」などの注文をつけるのが精一杯。

この注文を数値化してくれるのが、プリンティングディレクターという人たちです。

デジタル能力はもちろんのこと、絵心を備えたプリンティグディレクターの協力を得られるか否かで、絵本の出来栄えは、ぐんと変わってきます。

 

 

色の調整に加えて。

おたすけこびとの絵は、とてもとても、と、て、も、細かい…。

おたすけチームは家内制手工業体制でこびとの検品に努力しましたが、それでもやっぱり、取りこぼしがあるのです…(泣)。

 

たとえば、この窓の奥にちょこっと見えるこびと。

ヘルメットが塗られていないことに、いままで気がつきませんでした…。(縦横2ミリ)

あぁあ、四人で何度も見たのになぁ…。

 

 

そして、トラックを運転するこびとの手も、塗り忘れです…。(直径1ミリ)

 

 

こんなのもありました。

バスドラムのスティックの先端に白いマレットがついていたり、なかったり。(直径0.8ミリ)

 

  

 

ロードローラーの給油口を描き忘れたことに気づいたコヨセさんは、頭を抱えました…。

 

  

 

べつにいいじゃ〜ん、それくら〜い。

…と、つぶやきたくなるような小さなことばかり。

でも「だめだめ。子どもは気がつきますよ。くりかえし、くりかえし何度も読むんだから」

「そう。こういう綻びがあると、がっかりするんだよね」と、かわりばんこに頷いて、微塵も妥協をゆるさぬ おたすけチーム!

 

とはいえ、こんなチマチマとした修正希望箇所を山のように積みあげちゃって、どうするのかといえば…。

 

フッフッフッ。

おたすけチーム御用達のプリンティングディレクターに、一括丸投げするのでありますよ。

「ルートさんの魔法」と我々は呼んでいます。

オフィス・ルート56の関口五郎さんこそが、その魔法使い。

今から13年前に最初の『おたすけこびと』を出版して以来、ずっと画像データの調整を担当してくれています。

コヨセさんの絵のクセを熟知し、最後の帳尻合わせを引き受けてくれる頼もしい味方。

 

この日も、コヨセさんと私が編集部をでるときに、ちょうど関口さんがやってきました。

赤字がどっさり入った校正紙を受け取りにきたのです。

「すみませ〜ん、今回も修正が山のようにあります…」と、ぺこぺこ頭をさげる私達。

「いやいや、ぜんぜん大丈夫ですよ〜」

朗らかに笑って編集部に入っていった関口さん。

 

いまも笑ってくれているかしらん… (^_^;)

どうぞよろしくお願いします! 

 

 

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おたすけ制作日記はこちらから、どうぞ。 (この記事はです)

 

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コメント

ついに「初校」ができたのですね。
「だめだめ。子どもは気づきますよ」という
微塵も妥協を許さないおたすけチームはただただ凄いです。

我が家の子ども達も何度も何度も読み続けるので、確かに気づくタイプです。
休みの期間、毎日のように絵本を読んで過ごしていますが、
ちょうど、昨日「おたすけこびとのにちようび」を読んでいて、
息子が「このカメは、妹なのかなぁ?」
とカメの大きさの違いから色々と推測を始めました。
その時は、何度もページをめくって絵を確認していました。

まだ子どもには続編のことは内緒にしています。
本屋で見つけたら「どんな反応を見せるだろう?」とそれが僕の楽しみでもあります。

絵本が我々の手元に届くまでには、
本当に色々な方の想いがつまっているのだと今回もまた感動してしまいました。

  • 2020/04/23 22:45

「このカメは、妹なのかなぁ?」に、ドキッ…。^^;

でもそういうふうに、物語の先をそれぞれで広げてもらえるために、なるべく綻びのない本をお届けしたいと思っています。

  • なかがわちひろ
  • 2020/04/25 16:27