2174と2062、でいきます

 

職人工程そのイチ。

腕っこきの仲間をひっぱってくる。

 

……。

のっけから他力本願で、すみません…。

でも、本は個人の力では作れないものです。

 

編集者とのやりとりのうちに、そこでしかない化学反応がおこり、本のモトがうまれる。

デザイナーの助力で、具体的なかたちに魔法の粉がかかる。

印刷や製本の工人たちの手で、まごうかたなき現実のものとして、誕生する。

 

その過程がわたしには、とてもたのしいものです。

 

そのむかし、artisan という言葉をしったとき、まじまじとその文字をみつめました。

アルチザン。

artist(芸術家)にたいして、創造的精神が乏しい物作りという、おとしめる意味でつかわれることも多い用語だそうです。

とりあえず技術は優れている職人、だとか。

 

でも、芸術って精神だけでできるものではありません。

音楽にしろ、絵画にしろ、浮世絵や、彫刻や、舞台や、建築はもちろん、本にしたって、この世の事物と分かちがたく結びついて存在することで、誰かの心をふるわせるもの。

 

だったら、まずは手元の素材を丁寧につみあげていく artisanになろう。

それが芸術かどうかなんて、ひとまず、どうだっていい。

若き日のわたしはそう思いました。

 

そうしたら、身の回りにある数え切れないほどの美しいものに気づきました。

名前をのこさない誰かが、ひとしれず精魂をこめて残していってくれた、たくさんの美しいものに。

 

そして肩の力がぬけて、楽にもなりました。

いろんな人の力をかりて、ちょっとずつ、そういうものを目指せばよいと気づいたから。

 

 

 

というわけで。

とりとめのない雲のようなものを割り箸に巻きつけていく、綿あめ製造作業

協力デザイナーの決定です。

お願いしたのは、森枝雄司さん。

 

内容が合うと思ったからですが、もうひとつの理由は、テーマカラーが青だから。

じつは森枝さんは、業界内でひそかに「青のモリエダ」の異名をとる装丁家。

 

ラフをみせてイメージを伝え、色を決めてもらいました。

だって、青のインクは山のようにあるのですよ。

そして印刷すると、いろいろ変化しちゃうのですよ。

薄めるとあーなって、濃くするとこーなって、混色するとこんな雰囲気になる青を選んでくださいねという、わがままいっぱいの要望から推奨されたのが、DIC2174。

それにお供のレモンイエロー、DIC2062を合わせます。


ふふふ。

きれいな色鉛筆を買ってもらった子どもの気分。

まずは、コツコツと下絵を描かなくちゃ。







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