きょうりゅうたちの識字教育

 

パワフルな子どもたちを、きょうりゅうとして描く絵本「きょうりゅうたち」シリーズ。

ただいま翻訳中の8冊目は、文字を読むお勉強です。

 

原題は「いかにして きょうりゅうたちは 読むことを学ぶのであろうか?」

まじめでしょう。ええ、まじめですとも。

ハチャメチャに見えるこのシリーズの正体は、しつけ絵本ですからね。

 

でも、なにせ、きょうりゅうですから、一筋縄ではいきません。

 

バットのように本をふりまわしていれば、いつか読めるようになるんじゃないかと勘違いしたり、本を奥歯で噛みしめてみたり、かんしゃくを起こして、巨体でバキバキふんづけちゃったりと、いろいろやってくれます。

 

わたしのお気に入りは、船の本を、お風呂のお湯にうかべる きょうりゅうちゃん。

え、船のくせに沈んじゃうの…という表情が、たまらん。

 

 

こうした混乱ぶりは世界共通でしょうが、どうやら英語と日本語では、文字を学ぶ子どもたちの事情が若干異なるようです。

 

日本語で覚えるべき平仮名は48文字。カタカナも48文字。漢字は無限…。

いっぽう、アルファベットは26文字だけ。

これだけみると、英語圏の子どものほうが簡単に字を覚えられそう。

 

でも、平仮名の「あ」の発音はひとつだけですよね。

か、さ、り、め、き…など、どの単語でも、「あ」は「あ」。

平仮名48文字をおぼえれば、すべて正しく発音できるし、絵本の音読も可能です。

 

それに対して、英語のA(a)は、ほかの文字とくっつくと、音が変わってしまうのです。

 

apple,  ball,  bad,  eat,  cat,  cake,  boat,  bread...

どれも簡単な単語ですが、A(a)をエイと読めたからといって、発音できません。

本の音読は、かなり難しいのです。

 

そこで英語圏の大人たちは、子どもに せっせと本を音読してきかせます。

子どもたちにも、声にだして読むことを奨励します。

すると、あらふしぎ、そのうちにいつのまにか、英語ならではの文字と発音のつながりが、なんとな〜く体得できてしまうではありませんか。

 

…とまあ。

そんな事情を背景につくられた本なので、巻末に、きょうりゅうに絡めたお勉強付録がついています。

 

Dは、小さい文字だと d になるよ。

dog の dだね。dinosaursの dでもあるし、doneの dでもあるよ。

 

Cは、小さい文字だと c になるよ。

cat の cだね。chat も cだけど、発音は変わるよ…みたいに。

 

 

もちろん、これは翻訳不可能です。

でも割愛するだけじゃ悔しいので、原書の版元から了承を得たうえで、日本語版オリジナルおまけを作成しました。

 

日本の子どもたちの多くが平仮名の次に学ぶであろう、カタカナに挑戦。

きょうりゅうの名前でカタカナを覚えちゃおうぜ〜! という趣向です。

 

 

どうです、名案でしょう。ふっふっふ。

カタカナを覚えると同時に、マニアックな恐竜の名前も覚えられます。

お得ですよ、ひっひっひ。

(ここまでマニアックな恐竜の名前を覚えることがどのようにお得かについては、さておく)

 

というわけで。

すでに日本で出版されている七冊を並べて、カタカナ表に使うきょうりゅうを選別。

けっこう大変でしたぁ…↓

 

 

しかしながら。

すべての文字に、どんぴしゃ都合の良い名前はみつからなかったのです…。

 

欲しい文字が中のほうで使われている名前で妥協もしました。

それどころか、どうしてもみつからなくて、苦肉の策…、いえ、西塔香絵編集者の力作で、しのいだ箇所もあります。

 

 

くすくす笑って楽しみながら、カタカナも覚えちゃってくださいね。

 

 

コメント

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  • 2020/07/03 21:06