デジタルお絵かき、あるいは彫り師

 

 

デジタルお絵かきもしています。

 

といっても、最初は紙にインクで絵を描き、それをスキャンしてパソコンにとりこみ、ペンタブレットで加工しているのです。

老眼のせいで細かい線を描くとひどい偏頭痛に悩まされるようになっちゃったから。(; ;)

 

いまのイラストレーターの多くは、最初からタブレットに描くそうですね。

つまり、紙の絵は存在しないらしい。

それはそれで凄い。

 

私は、どっちつかずというか、アナログとデジタルの中間です。

 

紙とペンの出会いの痕跡を大切にしつつ、線の細部を整えます。

紙から離れることで、気づくこともいっぱいある。

使う道具は電子のペンとタブレットだけれど、カリカリカリと、線を削ったり足したりしていくのは、まぎれもなく工芸的な感覚。

 

なんかね、彫刻刀でサクサクと版木を削っていくのに似ているのですよ。

木のささくれや木目を気にしつつ、ところによってはペーパーをかけてバリをとるような。

 

そして思いました。

ああ、たしかにこれは版画の版木づくりに似ていると。

 

ほかの色を重ねることを想定した輪郭彫り。

描線の勢いは減じるけれど、別のリズムに整え直すことで強さをさぐるようなところも。

 

江戸時代の浮世絵は、絵師+彫り師+摺師の共同制作でした。

北斎や国芳は、紙に筆で墨一色の絵を描くと、その絵をぺらりと彫り師にわたして版木に刻んでもらったのですよ。

 

…え、そうだったの!?

うーん、絵師、ちょっとずるくないかぁ?…と思ったのは私だけ? 

 

まあ、ずるいかどうかはべつにして、今のわたしは彫り師です。

わたしの場合、絵師に叱られることもないので、気に入らない部分はどんどん修正しちゃうんですけどね。

 

電子の彫り師。

猫の手を借りて、がんばります。

 

 

 

 

 

 

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