うれしい復刊

 

 

「たくさんのドア」 主婦の友社

 

こどもたちの門出をしみじみとあたたかく言祝ぐ翻訳絵本です。

文章は「ちいさなあなたへ」のアリスン・マギー。絵は「きんぎょ」のユ・テウン。

この本が最初に出版されたのは7年前。

いつしか手に入らなくなりました。

 

良い本が残るわけではありません。ざんねんながら。

私は、あきらめていました。

 

けれどもここ数年ずっと、全国のいろんな書店や個人からの問い合わせが版元にきていたそうです。

早春になると、とくに。

どうやら、たくさんの方たちが、卒業をひかえた小学生や中学生に読み聞かせをしてくださっていたらしい。

復刊ドットコムに働きかけてくださった方たちもいました。

 

じつはこの絵本は、コープロといって、海外で数か国言語をまとめて刷られたものでした。

文字の部分だけ、日本語やフランス語、ドイツ語などに置き換えて、人件費の安い東南アジアなどで一斉に印刷・製本を行うグローバルビジネスです。

コストが抑えられるらしく、近年、コープロの翻訳絵本が増えています。

 

けれども、コープロにはいろいろ問題があります。

とくに悲しいのは、日本で初版が売り切れて、ひきつづき増刷したいと思っても、ほかの国と足並みがそろうまで待たされてしまうこと。

足並みがうまくそろうことは、めったにないし、単独での増刷はいきなりハードルが高くなるので、結局、消えてしまうことがしばしば…。

 

ところがなんと主婦の友社は、読者からのたびかさなる要望にこたえて、コープロから国内で印刷・製本をする契約に切り替えて「たくさんのドア」をもう一度、世に送り出すことを決定!

 

かなり珍しいケースだと私は思います。

一度流通した本は、もう図書館などには入っているので、あまり売れる見込みがないですもんね。

 

勇敢な主婦の友社の決断に感謝!

そしてなによりも、この本を慈しみ、手元におきたいと思ってくださったたくさんの、あきらめない方々に心から感謝いたします。

こんなにうれしいニュースは、昨今あまりないかも。

 

装丁は、旧版とおなじく水崎真奈美さん。

素朴で品の良い手触り感が彼女の魅力です。

 

旧版も原書も、大きなブロック体のタイトルが印象的でしたが、新版は雰囲気をかえて、絵のほうを前に出していただきました。

飛び立つ鳥たちの姿がいちばんに目にとびこんでくるはず。

 

1月25日発売だそうです。

生まれかわった「たくさんのドア」の門出。

どうぞよろしくお願いします。

 

 

 

 

 

 

コメント

 昨日、孫の初寝返りの動画が夫のスマホに送られてきました。
 生まれて4ヶ月ちょっと、本人にとっては、首が動くだけの世界だった景色が一転した瞬間だったことでしょう。
 「ああ、新しいドアが一つ開いた!」
 その瞬間から、一度開いたドアは閉じる事無く、まるで今まで寝かされていたらずっと上を向いた生活だったことなど無かったように、コロンコロン、自慢げに寝返りを打っています。
 どんどん、新しいドアを開く孫に早く「たくさんのドア」をプレゼントしたくて、発売日が待ち遠しいです。

  • おみばぁ
  • 2017/12/21 10:38

見守るわたしたちにとっても、あたらしいドア…とまでいかなくても窓のむこうの地平が広がっていくように喜ばしいことですね。

  • なかがわちひろ
  • 2017/12/22 21:04

嬉しいお知らせありがとうございます。ご紹介したい人が思い浮かぶのはうれしいことです(^^♪

  • chie
  • 2017/12/31 09:26

そうやって一冊ずつ、紹介してくださる方の思いものせて広がっていったのですね。
なによりうれしいこと。胸がしんとして、それからじんわり温かくなります。

  • なかがわちひろ
  • 2018/01/03 20:40

ついに復刊! 嬉しいです。先日も卒業を控えた我が子のクラスで読んであげたいのに、図書館でも全て貸し出し中とのことを伺ったばかりです。皆さん、喜ばれることでしょう。発売日を楽しみにしています。

  • コガモ
  • 2018/01/19 01:38

紙の上の文字が、読んでくれる人の声ときもちをまとって命をもつ情景を思い浮かべて、うれしくなります。著者のアリスンも、とても喜んでいました。

  • なかがわちひろ
  • 2018/01/19 09:47