ラルフ、あらためバロン

 

戌年絵本の 「ずっと」。

いよいよ入稿です。

 

写真は、見返しの紙をどれにしようかと選んでいる装丁家の水崎真奈美さん(…の手。顔の撮影は拒否されました)

場所は、水崎さんのオフィス。

南青山のデザイン事務所というのは、こうであってほしい♡と夢にえがくような素敵なところでした。

といってもゴージャス路線ではなく、こじんまりとセンスのよい手作り方向。

廃材利用と思われる古びた木の床や、白い陶器のセロテープカッター、トイレのタイル、果ては便座にまではしゃいだ私は写真をとりたくてたまりませんでしたが、かろうじて自制しました。はい。

 

ということで、素材感のある紙選びが魅力の水崎さん。

この本の紙についても

「ほんとは○○でいきたいんですけど」

「やはり値段がちょっと」

「う〜ん、じゃあ、□□でいきますか」

などと、浜本律子編集者と、限りある予算のなかでの攻防戦を繰り広げていました。

 

本の紙に注目する読者は多くはないでしょう。

それでも、ページをめくる指は感じているはずだし、紙の微妙な凹凸や光の反射ぐあいは、絵や文字の要素として読む者の無意識に働きかけます。

すべてが、無言のうちに絵本の時間を支えているのです。

 

本は、物体。

そして身近な美術工芸品だと実感する作業のひとつです。

 

ところで、しばらく前の記事で主人公の犬の名前をラルフに改名したとお伝えしましたが、諸事情により、バロンとあらためさせていただきます。すみません。

でも、バロンにしたら、また一段とよくなりましたよ。

バロンは男爵という意味ですが、たいせつな少女エリを寡黙に温かく守っている忠実さといい、ぴったり。欧米でも大型犬の名前によく使われているようです。

この子、もう今や、バロン以外の何者にもみえません。

 

そうですよね、水崎さん? と同意を求めたところ、水崎さんは、一瞬目をぱちくりしてから、どうにか頷いてくれました。

「…う、うん。毛がふさふさで長いしね」

 

アジア歴訪体験が豊富な水崎さんの頭にうかんでいたのは、インドネシアの聖獣バロンだったらしい。

↓(これです。バリ島へいくと、たいていバロンダンスで会えます)

 

ああ、翻訳ってむずかしい…。

 

 

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