そらは あおくて

 

女の子が、古いアルバムを見て、おかあさんにたずねます。

 

 「このこ、おかあさんなの?」

 

写真のなかの子は、女の子によく似ているのですが、服装も髪型も部屋のなかも、ちょっと ヘン…。

 

 「おかあさんが こどものころって、いまと なんだかちがうのね」

 

すると、おかあさんは こたえます。

 

   「そんなこと ないわ。

  たいせつなことは すこしも かわっていない。

  そらは あおくて、くさは みどり。

  ゆきは しろくて つめたくて、

  おひさまは まぶしく あたたかい。

  いまと おんなじだったのよ」

 

女の子は、もっと古いアルバムを手にとります。

おかあさんのおかあさん、つまり おばあちゃんの子どものころの写真が貼ってあるのです。

もっともっと古いアルバムには、ひいおばあちゃんの子どものころの、セピア色の写真が貼ってあります。

 

どれもこれも、女の子には今とちがうように見えるのに、おかあさんは くりかえし、うたうように こたえます。

 

 「くらい へやの おふとんの なかで みみを すますと、

  きこえてくるのは とけいが チクタク うたう おと、

  かいだんの したの おとなたちの はなしごえ、

  まどの そとで はっぱが かぜに そよぐ おと。

  ほら、いまの あなたと いっしょでしょう」

 

そしてさいごに、未来へむけても、おかあさんは確信をもって言いきります。

 

 「いつだって、

  そらは あおくて、くさは みどり。

  ゆきは しろくて つめたくて、

  おひさまは まぶしく あたたかい。

  たいせつなことは いつまでも かわらない」

 

その言葉は、明るく鋭い祈りのよう。

愛しい子どもたちのために、世界の美しさと喜び、そして安らかさが永遠に変わらずにありますようにとの強い意志が、女の子をしっかりとつつむのです。

 

 

アメリカ黄金期の古典絵本を多く手がけたシャーロット・ゾロトウが 1963年に発表した絵本のテキストですが、日本では翻訳されていません。(原題は "THE SKY WAS BLUE")

このたび、杉浦さやかさんに絵をお願いして、出版することになりました。

(売れっ子の杉浦さんに数多の仕事をかきわけて絵本に集中する時間をとっていただいたため、2年以上かかりました〜。

 編集の吉田亮子さん、おつかれさま。あともう一息!)

 

主人公の女の子をふくめて、おかあさん、おばあちゃん、ひいおばあちゃんと、4世代の女の子の日常がえがかれます。

服装や、お人形、室内の小物など、杉浦さんならではの細やかなこだわりが楽しい。

青空色のお人形柄見返しも かわいいでしょう。

 

4世代の女の子たちはよく似ていますが、杉浦さやかさんによれば、

「わたし」は、おしゃまさんで、「おかあさん」は、おてんば、「おばあちゃん」は、あまえんぼで、「ひいおばあちゃん」は、しっかりまじめっ子…なのだそうですよ。

右下の表紙レイアウト紙に、紫フリクションでかきこんじゃいました。

みなさんも、ご確認くださ〜い (^o^)!

 

 

 

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