おかえり、 おおかみ!

 

「おおかみの おなかの なかで」

5月に訳文とデザインのデータをイギリスの出版社に送ったものが、本のかたちになって、日本に戻ってきました。

コープロといって、数ヶ国語ぶんをまとめてコストの安い地球のどこかで共同印刷&製本するグローバルシステムなのです。

 

おおかみよ、おまえは どこで本にしてもらったんだい?

へえ、中国大陸かあ…。

地球をぐるりとまわって、おかえりぃ…ってかんじ。

 

でも、中身の本だけの裸んぼなので、ジャケットを着せてやらねばなりません。

英語のジャケットは、表紙カバーのこと。

資源の無駄という考えもありますが、流通や店頭で表面が傷んでしまった場合も、新品のジャケットに着がえて再出発できるのでエコだという話も…。

 

というわけで、ただいま、日本製のジャケットと帯をオーダー中でございます。

クチュリエの森枝雄司さんが仮縫いをしてみせてくれたジャケットに、小島範子編集者も、わたしも文句なし。

 

でも、帯で迷ってしまいました。

はじめにすすめられた三本の帯はどれも素敵で、じゅうぶん合格点。

さんざん目移りしたあげく、表紙絵を色硝子ごしに透かしたような帯にきめました。

晩秋の森で、雨にぬれた紅葉をみつけたよう。

文字を読みやすくするために、さりげなくグラデーションがかけてあるのもニクい。

 

いいものを見せてもらうと、欲がでてしまうものですよね。

あれこれ贅沢をいったら、森枝さんはすぐに改良案を作ってくれました。

 

どこがどう違うか、わかりますか?

色はもちろん、文字の書体や大きさ、並べかたなどが ちょっとずつ違うのですよ。

まるで百貨店のベルト売り場みたいでしょう。

「どれもベルトじゃ〜ん」と言うなかれ。

しばらくみていると、目が肥えてきて銘品がわかるものでございます。

そして銘品はやはり、お召しになる方(この場合、本、ね)の魅力をさりげなく、そしてキラリと引き立ててくれるものなのでございます。

なにせ、帯のミッションは、出会いがしらの一瞬に目をとめてもらえるか、さらには、手をのばそうと思っていただけるかの真剣勝負。

 

 

たかが本の帯。

されど、本の帯。

本を買っておうちについたら、ぺろんとはがして捨ててしまう物でしょうが、舞台裏では、こんなに一生懸命です。

 

 

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