鯛茶漬け

 

『いつか あなたが おおきくなったら』の初稿がでました。

編集の平沢拓さんとともに、南青山にある水崎真奈美さんのデザイン事務所に集合。

 

装丁にまで口を挟むホンヤク者として悪名高いワタクシですが、デザイナーの事務所にまでお邪魔することは、あまりありません。

でもね、水崎さんの事務所のそばのお店の鯛茶漬けランチがね、美味しいのよ…(^.^)

 

 

まずは、色の確認と、紙の相談。

今回でた初校の色は、原書の色とやや違っていました。

でもどうやら、初校のほうが、画家が描いた原画の色に近い。

原画を見たわけではありませんが、ある程度推測することができるのです。

判型を小ぶりにしたのも可愛いし、すっきり綺麗でノスタルジック。

いいぞ、ジャパンクオリティ。

 

日本語版でつかう紙も、原書より、はるかに素敵です。

とくに今回、水崎さんが遊んだのは、見返し紙。

さまざまな人種の赤ちゃんがならぶ見返しの紙は、お菓子のラッピングをイメージした包装紙なんですって!

本ができたら、スリスリさわってみてください。

どことな〜く甘やかな気分がしたら、クッキーの缶をあけたときに上に敷いてある紙と連想がつながったからですよ。ふふふ。

 

さて。

この日の大きな課題は、最終頁の文章と絵のバランスでした。

原書には I will  love you. という文章があります。

もちろん大切な言葉なのだけれど、日本語人は日常的に「愛してる」とは言いませんよね。

恋人ならいざしらず、親から静かな声で真剣に言われたらドン引きでしょう。

英語でくらす人びとが口にするニュアンスに限りなく近い表現をさがすのが、絵本翻訳者の仕事です。

 

で、わたしなりの解決をだしたわけですが、原文より長めになってしまいました。

原書のテキストとほぼ同じ分量で訳文を当てはめることも、絵本翻訳には大切な任務です。

絵本は、絵と文のリズムで進んでいくものですから、わたしのせいでテキストが長くなり、そのバランスが崩れるなんて、ゆるせない。

すごーくキモチワルイ。

 

でも、やっぱりテキストを短くするわけにはいかないよね…だって、この絵本の意味はカクカクシカジカだもんねえ…などと、編集の平沢氏とブツブツ確認しあっているのを横で聞いていた水さん。

じゃあ、こういうレイアウトはどうですかと、PCで変更を加え、プリントアウトしたものを切って嵌めて見せてくれました。

おお〜!

微妙な調整なのに、すとんと、きれいに着地してる!

 

クライアントの意向はもちろん、迷いも把握したほうが、デザインの方向性が見えてくるのだそうです。

 

最近は、離れた場所からの画像とメールのやりとりだけで、すべてが済んでしまいます。

ほんと便利。

でもやはり、顔をあわせてあれこれ話しながら打ち合わせをすると、よけいな忖度部分が不要となり、思いがけない名案がころがりでてくるものだなあ。

だいいち、たのしい。

 

…というわけで、1時間半みっちり打ち合わせをしたあとは、三人でホクホクと鯛茶漬けをたべにいきました。(^o^)

 

 

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