絵本の息づかい

 

『ノロウェイの黒牛』 最終的な編集作業が佳境です。

 

さとうゆうすけさんの絵は とっくに完成し、印刷所でのスキャンも終わっているのですが、なにやかやと小さな描き足しや修正のお願いが入ります。

さとうさんは出張先にも絵筆をもって出かけられたとか…。

 

装丁家の中嶋香織さんが絵と文字の仮レイアウトを行い、編集の鈴木加奈子さんが実寸で印刷してくれたものが届きました。

その紙を貼り合わせて、本を読むように めくっていくと……。

あらまあ、直すべき文章が悲しいくらいビッシバッシと見えてきちゃうんですよー。

(いや、けっこう嬉しいんだ、じつは)

 

なんで今さらと思われるかもしれませんが、絵がじゅうぶんに語っている内容については、文章が不要になるからです。

絵の邪魔になる文章は、すみっこに寄せたり、折りたたんだり、かたづけちゃったり。

また逆に、ところどころ、ツンツンつまんで目立たせたりもします。

すべては、頁をめくったとたん広がる絵に、ドキンとしてもらえるように。

 

めざすは、パスタとパスタソースの絡まり具合の妙。

この場合、パスタが文章で、ソースは絵ですよ〜。

だって、なにを食べようかとおもうとき、ソースで選びますもんね。

まあ、どっちにせよ、口にいれた瞬間には、なにも考えずにパスタのもっちりとした噛みごこちとソースの豊かな旨味をうっとり味わってほしい。

つまり読者が、よけいなところにひっかからずに、お話の世界に入っていけますようにと願うわけです。

 

はじまりから終わりへと向かうリズムも、とても大切。

たとえば映画で、冒頭からずっと大音量と迫力画面でボンボンやられたら嫌気がさしてしまうはず。静かな音楽や、ゆったりとした展開などのメリハリがきいてこそ、見せ場がいきてくるものです。

絵本もそう。

 

剪定バサミをチョチョキいれつつ、上から下から 矯めつ眇めつしているうちに、絵と文と、紙とインクと糊と…ほうぼうから差し伸べられたいくつもの手があわさって、絵本がゆっくりと呼吸をはじめます。

生きもののように。

 

絵本づくりの醍醐味です。

 

(それにしても、さとうさんの描く赤い魔女、こわいよ〜ん (>_<)

 

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