ひみつのビクビク

 

新年最初のアトリエ打ち合わせは、ほそえさちよさんと。

去年の今頃も、ほそえさんと『いっしょに おいでよ』の打ち合わせをしていましたっけ。

アトリエの寒さをご存じで、万全の厚着でお越しになりました。

 

まずは熱い珈琲と、おみやげにいただいた美味しいシュークリーム。

話がはずみます。

なにしろ、ほそえさんは編集者としての初仕事にバーバラ・クーニーの『ルピナスさん』を翻訳出版した方なので、古今東西の絵本談義が楽しくてとまりません…。

 

…が。

ちゃんと軌道修正して、"ME and MY FEAR" の打ち合わせを行いました。

 

FEARとは、不安や恐怖心のこと。

でもこの本のFEARは、主人公の女の子の、ひみつの友だちの名前です。

白くてほわんとしたオバケちゃんなので、日本語名を「ビクビク」と命名しました。

 

ビクビクは、いつもそばにいて、女の子が新しい経験や冒険をするときに、そっと注意を促してくれます。

いわば危険予知シグナル。

たとえば、「それ以上、身を乗りだしたらおっこちちゃうよ」と女の子 にストップをかけるビクビク。↓

 

 

こわい、あぶない、と感じれば慎重になるので、ほんとうに危険な目にはあわずにすむ。

大切な相棒ですよね。

だから女の子は、ビクビクを大切にしていました。

じぶんがこわがりであることは、ひとに知られたくないので、ビクビクの存在を ひみつにしていましたけれど。

 

ところが、なんらかの事情で、女の子は異国へひっこします。

するとビクビクが、きゅうに大きくなってしまったのです。

むくむくとふくれあがる不安や恐怖心を絵に描くと、なるほど、こうなるのね…。

 

 

ビクビクは次第に巨大になり、女の子の行動を制限していきます。

夜には、ビクビクの寝言がうるさくて眠れないのですって…。

 

 

言葉や習慣のちがう異国での生活は、ストレスがいっぱい。

まして親の都合で異国につれてこられた子どもたちにとっては。

その意味からは、やはり『ジャーニー 国境をこえて』(きじとら出版)の続きの物語であるといえます。

 

とはいえ、増大するビクビクに悩む体験は、だれにでもありますよね。

ぼんやり読んでいると、女の子がひっこした先が異国であることに気がつかないかもしれません。

べつに異国でなくたって、新しいクラスや学校、職場、ちょっとした人間関係の変化。

どこにでも、だれにでも起こりうることですもん。

 

じつをいえば、そんな読み方も、大歓迎。

絵本は、ぼんやり読んでいいのです。

寝ころがって、鼻歌まじりに、心のおやつに。

気に入ったところだけをつまみ食いするように、まずは、じぶんに引き寄せて共感してくだされば、けっこう。

 

するとそのうち、ふとした拍子に気づいていただけるかもしれない。

異国でくらす人たちのきもちにも。

絵本の効き目は、のんびりじんわりの長期計画ですから。

 

きのうは成人の日でしたね。

NHKニュースでは、新宿区の新成人の、なんと半数近くが外国籍の若者であると報じられていました。

色とりどりの民族衣装をきた肌の色もさまざまな若者達の笑顔が心に残っています。

 

 

さて。

冬の陽も傾いてきたころ、熱く芳しい加賀棒茶と、石焼き芋。

密度の濃い打ち合わせ三時間ぶん、ストーブの上でじっくり焼きました。

あま〜くて、おいしかったですよ〜。(^o^)

 

 

 

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