布絵本のこと。著作権のこと。

 

 

プリンちゃんは、ふしぎな絵本です。

ひとたび、その魅力にとらわれると、じぶんでも手をうごかして、プリンちゃんを作りたくなるらしい…。

 

この絵本を「あそび場絵本」と呼んでいる私は、しめしめと口元がゆるみます。

かつて玩具のデザイナーだった絵描き たかおゆうこの遊び心が滲みだしているにちがいありません。

 

そんな たかおさんと私は、理論社HPのプリンちゃんの部屋から、きせかえシートをダウンロードして、おうちで遊んでもらえるようにしました。

手作りプリンちゃんを掲載するコーナーもありますよ。

みなさま、ぜひどうぞ!

 

 

…とまあ。

個人利用はまったく問題がないのですが。

団体や公共の場での「二次使用」となると、気になるのが「著作権」。

 

著作権にたいする理解が浸透してきたため、どこの出版社にも図書館やボランティア団体からの問合せが頻繁にあるそうです。

その大半は、きわめて良心的な使用だし、とてもありがたいお話です。

ほとんどノープロブレム。

でも、たま〜に、ぎょっとするような非常識な二次使用もあるのでフィルターは必要なのかもしれません。悩ましいところです。

 

プリンちゃんについても、布絵本や大型絵本、ペープサートや紙芝居、あやつり人形を作ってもいいですかとのお訊ねが、しばしば舞い込みます。

 

 

問合せの窓口となるのは編集部ですが、私の著書については、以下の三点を条件に編集者と相談を行っています。

 

  その1 : 利益を求める使用でないこと。(←別途契約が必要)

  その2 : 出典をあきらかにすること。

  その3 : 作品世界を尊重すること。

 

 

1と2はともかく、3が難しいんですよね〜。

絵本を人形劇やペープサートにすれば、どうしたって違うものになります。

紙にインクで印刷されたものを、布絵本にすれば、色も質感もかわるのは当然のこと。

それでも「作品世界を尊重する」とは、どういうことなのか…。

 

結局は主観的な判断になってしまうわけですが、たかおさんと私を驚嘆せしめた例をひとつ、ご紹介しましょう。

 

埼玉県白岡市の布絵本ボランティアグループ「しらおかいちごくらぶ」から布絵本制作の打診があったのは、いまから数年前。

上記3項目をお伝えして、ときどき進捗状況の報告をうけてはいたものの、わすれた頃にできあがったものをみて、口がぽかんとあきました。

 

たかおさんは「色の魔術師」とよばれるほど微妙で美しい色づかいをみせる絵描きです。

いちごくらぶは、果敢にも布でその色に挑んだのであります!

 

 

なるべく似た色や風合いの布をさがし求め、なければ、染めて切って縫って…。

文章は、絵本とおなじ場所に チクチク刺繍して…。

ひとつひとつのこだわりに、唸ってしまいます。

それにしても、おかしの家のビスケットのドア、おいしそう。

 

 

ひと針、ひと針の豊かな時間がしのばれます。

いやいや、この麦の穂のすごいこと…。

 

 

きらきらビーズやリボンにも、布手芸ならではの魅力がたっぷり。

絵本そのままではないけれど、スピリットは正しく変換されています。

それこそが、もっとも大切なところでしょう。

 

 

透明水彩で描かれた水の中の風景は、アップリケのお魚やあぶくを縫いつけたうえに水色の紗布をかぶせるとはね〜。

 

 

ぴったりの端布をみつけるために、どれほどの手間と労力と愛情がかけられたことか…。

 

 

絵本の巻末に掲載した プリンちゃんの歌の楽譜まで、このとおり… 感涙。

 

 

これを布絵本の合格基準レベルといたします。

…なあんていったら、イジワルですよね。わかってますとも。

まずは愛よ。愛があれば、きっとだいじょうぶよ。(?)

 

いずれにしても、これが金字塔となることはまちがいありません。

全国のチクチクアーチストのみなさん、挑戦してみてくださーい。(^o^)

 

とはいえ。

いちごくらぶのみなさんは、じぶんたちの技術をみせびらかすために、この布絵本をつくったわけではありません。

 

あくまでも図書館ボランティアなので、布絵本は一般に貸し出します。

子どもたちがカウンターで借りておうちに持ち帰って、ひとりじめできるんですよ。

ああ、なんと贅沢な…。

 

じつはこれ、だいぶ前にできあがっていたのですが、質の高さに仰天した たかおさんと私が「え〜、なんか もったいな〜い。ケチャップとかついちゃったらどうするの〜」などとケチなことを言いだし、まずは、10月にひらかれる プリンちゃんの原画展において、お披露目展示をしてもらうことにきめました。

それからは、一般貸し出ししちゃうんですよ〜。(←しつこい)

へへん、どうだい、この太っ腹!

 

 

そんなわけですから。

まずは、原画展におこしくださいね。

 

原画展のおしらせは、こちらから↓

https://chihironn.com/info/2783516

 

 

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