2022.05.20 Friday
「やまの動物病院」ひそかに進んでいます
そろりそろりと進んでいます。
「やまの」動物病院ですからね、山の動物たちがやってくるのです。
今回の登場動物は、上記写真のとおり。
クルマは「田中さん」という人間のおばさまの乗用車です。
絵がほぼ完成したので、印刷につかう紙選び。
2種類の紙に試し刷りをしてもらいました。
ちがいがわかりますか?
左の紙は黄色みを帯びて柔らかく手触り感のある紙。
ノスタルジックな雰囲気が魅力ですが、色がすこぅし濁ってしまいます。
それにめくると皺になりやすいのが、ちと残念…。
かたや右は、すこし厚手でしっかりした白い紙。
色も濃淡もきれいにでます。でも、やや冷たいのかなあ…。
ひとりで悩んでいても結論はでません。
ひさびさに電車に乗って徳間書店にでかけていき、U編集者や、ルートさんこと、デジタル師匠の関口五郎さんに相談にのってもらいました。
むかしのインクは紙に吸い込まれてじわじわと乾燥したけど、いまのUVインクは速乾性で吸い込まれずに上に乗るんですって。
濃淡も綺麗にでるし、進化したようですよ。
それにしても、紙によってほんとうに印象が変わるし、色も変わってしまう。う〜む〜。
関口師匠は「どっちの紙を選んでも、なかがわさんが出したい色に調整してあげますから、だいじょうぶですよ。妥協せずにおもいっきりやってください」とニコニコ。
なんて心強いお言葉! うう……(;O;)
関口師匠が帰ったあと、打ち合わせ part2。
この本の装丁をお願いする前田浩志さんが現れました。
すると編集部に、どよめきが走ります。
「わあ、伝説のデザイナーだ!」
「前田さんて、ほんとに実在してたんですね」
…なんだこの、へんてこな興奮状態は!?
じつは前田さんは、いわゆる本の装丁家ではありません。
音楽関係のデザイナーとしてサザンオールスターズや L'Arc~en~Ciel と関わり、現在は企業デザインにも幅を広げられているとのこと。
にもかかわらず、なぜ徳間書店児童書編集部がつよく反応するかといえば、徳間のクマちゃんマークのデザイナーだからです!
↓徳間→トクマ→戸をあけるクマ…ってダジャレ。。気づいてましたか?
しかも前田さんは、徳間書店児童書の前身である福武書店ベストチョイスシリーズのマーク及び全体の統一デザインも手がけていました。
↓ほら、ベストチョイスシリーズの奥付には必ず前田さんのお名前が…。
ちがう世界で忙しい方なので、編集部を訪れたのも初めてだったという次第。
U編集者とは旧知の仲だから、同窓会の雰囲気っぽい。
わたしも、ベストチョイス時代からずーっと奥付の小さな文字でなじんできたお名前ゆえ、かってに同窓会に入会。
なごやかに、のほほんとした雰囲気で「どんな表紙にしようかねえ…」と話が進みました。
前田さんが、副主人公の まちの先生(人間・熟年独身男性)を妙に気に入り、続編ではぜひ、まちの先生の恋物語をとリクエストがあったのは、まあご愛敬…ってことにしておこう。。
↓まちの先生 (そういえば、なんとなく似てる?)